天の川まで届け!「七夕に願う…」

天の川まで届け!「七夕に願う…」天の川まで届け!
七夕に願う…
七夕伝説は天の川を挟む
牽牛星と織女星のお話
もともと七夕は芸技術の上達を
星に願うものでした
天の川まで届け!「七夕に願う…」
■七夕伝説
♪ささの葉さらさら、のきばにゆれる、お星さまきらきら、きんぎんすなご…♪
これは、おそらく多くの人が、一度は口ずさんだことがあるであろう、夏の定番ソング「たなばたさま(※作詞/権藤はなよ・林柳波、作曲/下総皖一、昭和16年3月文部省発行『うたのほん下』掲載)」です。
今週の本誌発行日である7月7日は「七夕(たなばた)」。そこで今回は、七夕に関するお話を少々。
「七夕」というと、皆さんは何を連想するでしょうか…?やはり一番は、笹竹にくくりつけられている色とりどりの短冊ではないでしょうか。
自分の願い事を書いた短冊を笹竹にくくり川に流すと、それがやがて天の川に通じて願い事が叶うとか、お供えをしてから笹を流すとか…様々な言い伝えや風習が、今も各地方には残っているようです。
しかし昨今では、幼稚園や小学校で折り紙に願い事を書いたという思いでの行事であるとか、牽牛と織女が一年に一度だけ逢える日というロマンティックなお話のイメージがあるだけなのかもしれません。
さて七夕とは何なのでしょうか?私たちに馴染み深い「七夕伝説」といえばこうです。
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天帝の娘・織女は機を織るのが仕事でしたが、とにかく仕事ばかりしていました。
天帝はそんな織女を心配し、彼女を天の川の向かい岸に居る牽牛と逢わせました(いうなれば、お見合的なものですね)。すると二人は、たちまち相思相愛。
恋愛事に夢中になり、今度は仕事を全くしなくなってしまったそうです。そんな二人をみた天帝は怒って(天帝が蒔いた種ともいえますが・・・)、二人を天の川の両岸に引き離してしまうのです。
しかし、あまりに嘆き悲しむ二人の様子をみて、哀れに思った天帝は、一年に一度、7月7日の夜にだけ会うことを許しました。
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ちなみに7月7日に雨が降ると天の川の水が増水し、川を渡ることができないため、カササギが二人の橋渡しをするそうです。
七夕は、この天の川を挟んでかがやく牽牛星と織女星の物語に由来しています。
七夕伝説は今から2000年前には、既に中国で成立していたとされています。
機織りに励んだ天上の織女にちなみ、星に芸技の上達を祈る「乞巧奠(きこうでん)」という宮中行事が生まれ、日本へも伝わったとされています。
実は日本でも、乞巧奠が伝来する前から7月7日には、けがれを祓う行事があったといわれています。
しかし江戸時代になると、七夕の行事が民間にも広がり、笹竹に短冊を飾るスタイルもこの頃に定着したため、次第に七夕の行事としての認識が強くなっていったのかもしれません。
このように日本古来の伝承や風習が中国の行事とまざり、現在に至っています。
現在でも、日本各地で様々な七夕祭りが開催されています。
国内で有名な七夕祭りといえば「仙台の七夕祭り」。ここでは絢爛豪華な七夕飾りが、多くの観光客の目を惹いていますね。実は「七夕飾り」というのは、江戸時代に「隣の家よりも豪勢なものを」と飾りを競ったことが、はじまりともいわれています。

■七夕にはそうめんを食す
7月7日の七夕といいましたが、実は、七夕がいつから7月7日になったのかという点についてはよくわかっていません。それに現在私たちが使っている太陽暦の7月7日は、梅雨の時期にも重なるので、星が見えない日が多いのです。ところが旧暦で考えると、星空のよく見える季節となります。もともと七夕は旧暦7月(秋の季節)の行事だったのですね。
ちなみに、2006年の旧暦でいうところの七夕(7月7日)は7月31日。ぜひこの日は、空を見上げてみてくださいね。
ところで、土用の丑の日にウナギを食べるように(※これには平賀源内が考案したという説もありますが…)、七夕にも食べ物の風習があります。
七夕には「そうめん」を食べるのです。
何故そうめんなのか…? これは前にもふれた乞巧奠に関係しています。
七夕に行われたこの行事は、織女星に芸技の上達を祈ること。つまり当時の女性の習い事といえば「針仕事」だったため、いつしか糸を連想させるそうめんを食べるようになったそうです。
これは季節的にもピッタリ! 暑い時期に食べるそうめんはさっぱりとして美味しいものですよね。皆さんもぜひ、今年の七夕にはそうめんを食べてみてくださいね!とはいえ、夏バテになりやすいのもこの季節。そこでここはひとつ、手軽に作れておすすめの、スタミナそうめんレシピをご紹介します。

<スタミナそうめん>
●準備するもの
そうめん、お好みの夏野菜(オクラ、トマト、ナス等々)、豚薄切り肉(しゃぶしゃぶ用)、トッピング用に大根、ミョウガ、あさつき、オオバなど、そうめんのつゆ、塩 
※それぞれの分量はお好みでOK!食欲がないときは、ミョウガやオオバなどの香草系を使うと食欲増進に!

●作り方
①塩を少々入れたお湯を沸かし夏野菜をさっと茹であげ、水にあげて食べやすい大きさにカットしておきます(トマトの場合は茹でなくても可)。 ②野菜を茹でた湯で豚肉も茹で肉の色が変わったら引き上げ水気をきります。
③トッピング用のミョウガやオオバは細かめに刻み、大根おろしを作ります(モミジおろしや柚子オロシにしても美味)。
④別な鍋でそうめんを表示にそって茹で、茹であげたら水でもみ洗いをして水気を切って器に盛る。
⑤そうめんの上にミョウガなどをのせ①の野菜類と②の豚肉を添え、豚肉には大根おろしをのせる。
⑥そうめんつゆをかけて完成!
※ちなみにナスはひき肉と一緒に甘辛く炒め、それをそうめんにのせて食べるのもオススメ。ちなみにゴマたれにするのもアリ! スタミナそうめんのポイントは、夏バテによいビタミンB1を多く含む豚肉を使用すること。そして不足しがちな緑黄色野菜をたっぷり食べられること。
ぜひ試してみてくださいね!
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さあ、早速今年の七夕は、そうめんを食べて星に願いをかけましょう!…ところで、あなたの願い事はもう決めましたか!?

週刊フリー巻頭特集2006年7月7日号

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