海外見聞録 ~マイセンの歴史
白い金と云われた東洋磁器に憧れて・・・。
強健王「アウグスト」のもと生まれた欧州最古の硬質陶磁器誕生の話。
■マイセン窯
旧東ドイツ・ドレスデンより北西に25km。Sバーンで揺られること30分。
エルベ渓谷に位置する古都「マイセン」は欧州で始めて「白い器」を作り上げた場所としても知られ、その歴史と誇り高き王国の名残を感じさせます。
17世紀、欧州では神秘的な中国の磁器や日本の伊万里などの東洋磁器が絶賛されていました。純白、薄さ、硬くて丈夫、艶やかな硬質磁器を作り出す国はまだなく、列国の王侯貴族、事業家たちは独自の製法を見つけ出そうとしていました。
そんな中、強王アウグストが1705年、当時19歳の錬金術師ベドガーに命じ幽閉状態の中でマイセン磁器開発の任務を与えます。
磁器製造の為に知識的アドバイザーとして自然科学者のチルンハウス伯爵も加わり、カオリンと長石類を生地の主成分とすると長石が焼成中に素地と融合することで表面が半透明に輝くことを発見。この時に高い焼成温度も必要だということも解り1709年、白地のマイセン磁器が誕生しました。
アルブレヒツブルク城と大聖堂 / アルブレヒツブルク城内 / 開発に関わった人々の肖像
住宅通信 2005年07月号・Relax Essay