テーブルコーディネイトにかかせないリネン織物。
近頃では都内のデパートなどでも人気のある”プロヴァンス織物”についてご紹介します。
■プロヴァンス織物
プロヴァンス生地の発祥の地は、フランス・アヴィニヨンとアルルの間に位置するタラスコンという城下町。
私自身、この生地特有の色彩や大胆な柄に魅せられて、ルーツを探ったところインドにありました。
17世紀半ばに東インド会社は、フランス人の好みに合わせた「更紗」を現地生産しフランスに輸出するようになりました。その斬新でシンプルな柄は、フランス人には素晴らしく新鮮で、18世紀に入ると貴族階級やブルジョワが狂喜してこの布の壁紙や家具、衣服に利用したそうです。
その後、伝統的な更紗は次第に衰退していきますが、1938年にソレイヤード社創始者・シャルル・ドメリーが、昔ながらのモチーフに新しいセンスを加え、今日のモードに合った布地を次々と生み出し、現在にプロヴァンス織物を復活させました。
特に人気の柄は、幸運を表す「蝉」や平和を表す「オリーブ」などです。
プロヴァンス特有の明るく賑やかな色彩。
住宅通信 2003年11月号・Relax Essay