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 10年に一度オランダで開催されるフロリアード・国際園芸博覧会を視察してきました。オランダといえば農業。そして花に運河に水車。東インド会社、江戸時代からの日本との交流。合法化された売春やドラックといった様々な側面を持つ国としても興味がありましたが私の関心が一番高い食のイメージからは程遠くなかなか訪れる機会がありませんでした。花のレッスンやテーブルコーディネート、ブライダルの提案などの場面。花とは切り離せない関係の仕事をする私にとって、どんな素敵な花に出会えるか10年前に見た雑誌からずっとあたためており、そんな期待を込めた視察でもありました。

第6回開催となる今年はオランダ南東部ドイツとの国境の町VENLO(フェンロー)にて4月5日から10月7日まで開催。園芸先進国のオランダ王国にて世界最大の花きの祭典は1960年に第1回をロッテルダムで開催し、以後オランダ国内で場所を変えて開催しております。また今年開催のフェンローは、サッカー好きに知れた「VVVフェンロー」のホーム。2008年から2009年にかけて本田選手が在籍していました。

フロリアード2012は花き業界関係者にとっては万博クラスの重要な催しです。

f2012

花のデザイン、公式な品種コンテストは切花、観葉植物、鉢物と分かれ、春・夏・秋の3回開催されます。日本からも多くの育種家・生産者・種苗メーカーの方々が出品され、日本の高い園芸技術を海外に発信するチャンスとして日本政府(農林水産省が主体)も後押ししております。

開催期間中200万人の来場者を見込み、66haという広大な敷地内に約42ケ国の国や地域の展示が100を超えます。6ヶ月に及ぶ博覧会会場では、季節ごとの花が咲き、会場内には全長1.1kmのケーブルカーも敷設され未来都市のような雰囲気もかもし出していました。開催テーマは「自然と調和する人生」Be part of the theatre in nature,get closer to the quality of life。

会場は以下の5のテーマで構成されます。

①EDUCATION&INNOVATION 教育と革新

②RELAX&HEAL 癒し

③GREEN&ENGINE 自然と産業

④ENVIRONMENT 環境

⑤WORLD SHOW STAGE 世界の展示

一日で見て回るには広すぎ、私が注目したパビリヨンは③GREEN&ENGINEの中のVilla Flora、ここをじっくりと視察しました。こちらでは、フローリストによるデザインの展示や切花コンテストが行われております。

私が持つオランダのフラワーデザインは、造形的そのもの。食卓に飾るシンプルな花のイメージというより、大胆でアート、前衛的なイメージ。勿論そんなデザイン展示も見られましたが、単純にお花が素敵!と感じられる作品も数多くありちょっと安心。というのも、もともとお花の世界で生きていこうと思っていた私。20数年前に学んだドイツやオランダの造形的なデザインがどうにも解釈できず結局お花の世界を極めることなく、もっと身近にお花を楽しめるテーブルコーディネートの世界と方向転換をしたからです。会場で見た印象はデザイン・コンペというよりは、一つ一つのお花が美しくより引き立つようなアレンジ。特にアジサイやトルコキキョウなど日本でも人気なお花の展開が際立っていました。それもそのはず、後で知ったのですがこちらの展示ブースは品種のコンテストでもあったのです。実施される品種コンテストには各国から476点の品種が出品され、日本からは半数に近い204点の出品。生産、デザイン、市場(小売)部門に分かれ展示は2週間ごとに変わりそれぞれの順位を決めていくそうです。

日本政府としてのブースもあり積極的な支援が伺えます。

日本政府出展ブースのテーマは Feel Japonica –Wisdom to live with nature-

「日本の花を感じよう~自然と生きる知恵」

デザインは、「日本人の住まい」を表現。縁側、軒下、土間、庭と別れ障子や襖などで仕切られた部屋を含め、日本の気候風土にあった自然に溶け込む昔ながらの住まい方の工夫も紹介していました。展示スタンドでは五節句をテーマに日本の伝統行事を切り口に展示。そこでは日本人の感性や自然に暮らす知恵などが盛り込まれており、訪れた方々の興味を引いていました。また別のスタンドでは、「いけばな」や「盆栽」など日本の多様な気候や地形から生まれた園芸が日本独自の文化として紹介され、日本が「現在」「過去」「未来」においても園芸大国であることを表明しておりました。

春のコンテストでは日本からの出品種6点が1席(世界一)として選出されていました。その他多岐に渡る受賞は、世界に誇る日本の育種・栽培技術を裏付けておりました。

会場で関係者の方にインタビューさせていただきましたが、地元茨城(常陸太田市)からもトルコキキョウを栽培されている方が出展されており、異国の地で同郷の方に出会えた感激もプラスされ、日本の貢献を一層誇りに感じました。

最後はオランダの食。伝統的な食として、ニシンが上げられますがそれ以外は皆無。「オランダで一番美味しいのはマック」といわれるほど、食の評判は低く実際に行列を作る先にはフライドポテトのお店など。その中で唯一私が期待していた白アスパラ。フロリアード会場の野菜の試食コーナーでは、なんと生の白アスパラを頂きました。アスパラはもともとオランダから日本に観賞用としてもたらされたもので、別名を「オランダキジカクシ」というそうです。ヨーロッパの中でフランスやドイツと並びオランダは生産量が高いという事だけは知っており、白アスパラ好きの私は実はそれを一番期待していたのです。ホテルの人や観光案内所で聞いたのですが、残念ながら時期を逸しお料理として食すのはできませんでした。代わりに、期待薄と云われたアムステルダムで美味しいレストランを見つけました!どこに行っても外れのないレストランを選ぶ自身がある私。(笑)賑やかな通りルーベンス通りから少し入ったこじんまりとしたお店。食スタイルはフュージョン。各国の良さを取り入れています。店内は満席状態で次々に人が入ってきます。

私がオーダーしたメインは日本の味付け「かじきまぐろのテリヤキ」。

グリーンアスパラと日本のうどんが付け合せになって、以外な組み合わせを異国の地で発見する有意義な食事でもありました。そのほか、オランダの名物と云われているパンケーキはクレープを少し厚く焼きシナモンとゴールデンシロップ(黒糖のシロップ)をかけていただきます。滞在中頂いたデザートで美味しかったのがアップルボール。りんごが丸ごと入ったシナモン味の焼菓子。ホットドックの自販機などもみかけ隣国のドイツやベルギー、フランスなどとも違った独自のファーストフード文化にも触れられました。

最後に、フロリアードの会場へはアムステルダムから向かいましたが、一番近いのはドイツ・デュッセルドルフから入る方法。事前にアムスから会場までのバスの予約と入場券もネットで予約できました。

HPにはアクセスなど詳細も掲載されております。10年に1度のこの博覧会。日本の貢献を確かめに訪れてみてはいかがでしょうか・・・
日本の公式サイト
 

2012年7月 堀江千秋

コラム